熊野古道　ツヅラト峠と馬越峠を歩く
２０１０年１月１日

　昨年に続いてお正月に熊野古道を歩いた。今回は三重県側から歩を進めた。１２月３１日バスで難波へ、そこから近鉄で松坂に行った。午後６時前に到着したが、冬は日が短く着いたころには真っ暗であった。ここ松坂ではそのホテルが良かった。普通のビジネスホテル風であるが、お正月的なイベント？なのか「ウエルカムづリンク」というのが１８時から２０時まであった。普通無料のドリンクサービスといえばコーヒー、紅茶くらいが関の山と皆さんお思いであろうが、ここは違った。何と生ビール飲み放題でおつまみ付きであった。そして他にウイスキーや焼酎はもとよりコーヒーも飲み放題であった。これはいいタイミングとばかりに早速生ビールをビールコップで１．５杯いただいた。それから食事に行った。さすがに人出は少なく、駅前はやや寂しかったが、レストランを見つけることができた。そこは松坂牛を扱う店でステーキなどがメインであった。しかしかなりの高額のため、私はその肉の雰囲気だけと思い、ハンバーグを注文した。これはそれなりの味？で普通の夕食となった。そしてホテルに帰り再度ビールとコーヒーをいただいた。食後のそれも大変良かった。こんなサービスのホテルは初めての経験で感激、感動した。なお、値段は普通のビジネスホテルのそれと同じであった。また、朝食も無料、年越し蕎麦のカップラーメンも希望者には無料となっていた。すごい、これで儲かるの？？といらぬ心配も。私は残念ながら早朝早く出発なので、朝食はコンビニで買った巻きずし等であった。朝食サービスの恩恵には与れなかったが、いいホテルに泊ることがとお正月早々、満足のいくスタートをきることができた。

ツヅラト峠（約９ｋｍ）

　１月元旦、松坂発の始発５時２２分に乗った。梅ヶ谷駅までそれに乗る。朝はさすがに寒かった。ローカル線であるし、早朝なのでやむを得ない。しかしお正月早々それなりに人は乗っていた。その駅に着いたのが６時４５分。そのころには夜も明け、薄暗い感じで１人だけその駅を降りた。無人駅であった。地図を見ながら不安であったが、元気よく出発した。舗装道路をしばらく行くと、やまびこ広場というのがあった。ここで案内図を確認し、安心して前進することができた。その後「ツヅラト峠登り口は左折」という看板をを発見。ここからいよいよ山の中に入った。しばらくは森の中であった。ここで１人のランナーに出会った。さすがこの山中でも走っているのだ。そしてまもなく本当の登山道路風の急峻な山道となった。ここをしばらく行くと、その峠に到着。上がってみればさほどの高低差ではなかったか？。しかしそこにある展望台からの眺望はさすがによかった。１人のみ誰もいない山頂で下界を見下ろすのはなかなかよかった。遠い昔同じようにこの景色を何人もが見たことだろうか。

ツヅラト峠から熊野灘を眺める
峠からの下りには石畳があった

　峠から急な足場の悪い下り道を進んだ。その途中には石畳があった。こんな山中にあるのが不思議。これは土砂崩れ防止のためとされている。昔の人はいかにこの道が大切であったという証拠である。その後志子登り口に到着後はローカルな町並みを歩いた。紀伊長島駅までは結構長かったが、予定時間より１時間以上早く着いてしまった。この駅で昼食を食べ、その後ぶらぶらして次の列車を待った。何しろその本数が少ないので仕方がない。１１時２９分発の新宮方面行に乗り、次の馬越峠（まごせとうげ）に向かった。

馬越峠入口
見事な石畳が続く

馬越峠（約６．５ｋｍ）

　紀勢本線相賀駅で降りて馬越峠に向かう。途中までは国道を歩く。その途中の道の駅で小休止する。あまりお正月の雰囲気はなかった。ただ国道と車が走る風景は今日がいつの日か忘れるほどであった。しばらく行くと左に馬越峠の登り口があった。その上から２人連れ、カップルが下りてきた。その姿を見て唖然とした。比較的美しそうな？レディはハイヒールでお正月の衣装か。それともデートのため？の一張羅か。この峠道には実に不似合いであった。しかしながらこの２人姿でお正月的な雰囲気も少し味わえたかな。その後数人のハイカーと出会ったが、それなりの格好ばかりであった。ここの石畳はすごかった。今までのそれに比較して最高であった。この長い石畳はどれだけ労力を必要としたことか。そのような道は大体歩きにくいのであるが、ここではそうでなかった。自然の岩や石がきれいに並べてあって、とても歩き心地がよかった。恐らくこれ以上の石畳はないのではないか？そしてここの上りは急であり、何度か立ち止まっては前に進んだ。峠を越えても同様な道であったが、登りほど気持ちいい石畳ではなかった。そしてそれが終わってからも結構長い舗装した下り道があった。やっと降りてきた所が尾鷲の町であった。ここの商店街を抜け、駅に向かった。そこで小休止してからホテルに向かった。尾鷲の町ではお好み焼きの店が多くあった。しかしお正月なので和食の店で夕食を食べた。ここのホテルは普通のビジネスホテルでイマイチであった。
　１月１日の一番の印象はやはりあの石畳であった。あんな道を歩くことは２度とないかもしれない。